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高齢出産の妊娠初期はどんなリスクがあるの?どんなことに注意したらいい?

近年晩婚化や女性の社会進出、不妊治療技術の向上に伴い高齢出産の女性が増える傾向にあります。

高齢出産にはリスクがともなうといわれますが、高齢出産の妊娠初期にはどのようなリスクがあるのでしょうか?また妊娠初期にはどのような点に気を付ける必要があるのでしょう?

このページでは高齢出産の妊娠初期に必要な情報をまとめてみました。

高齢出産と通常出産のリスクの違いって?

高齢出産とは一般的に女性が35歳以上に出産することをいいます。高齢出産の場合、様々なリスクがあるとされていますが、それをあらかじめ認識し注意して妊娠時期を過ごすことで多くの女性が高齢出産で元気な赤ちゃんを出産しています。

 しかし、一般的に通常出産と比較して高齢出産では以下の3つのリスクが上昇するとされています。

 

・染色体異常の発症リスクが上昇
・妊婦高血圧症行軍の発症リスクが上昇
・流産のリスクが上昇

 

では具体的にどのようなリスクなのか詳しくまとめてみました。

◆高齢出産のリスク1 染色体異常の発症率が高い

高齢出産の場合、胎児のダウン症の発症率が高くなります。これは、卵子の質が加齢に伴い年々低下することと関係しており出産年齢が高くなればなるほどそのリスクが高まります。
 ダウン症とは染色体異常の中で一番多い先天性の疾患で、21盤目の染色体が3本あるために発症します。精神発達の遅れや、多発奇形、特有の顔だちになる、虚弱体質で病気しやすいなどの症状が出ます。

全年齢平均で1000人に一人の確立で発症するといわれていますが、出産年齢によって発症率が異なります。
出産年齢の違いによるダウン症の発生率の変化
20歳 1/1667
25歳 1/1250
30歳 1/952
35歳  1/385 
40歳 1/106
45歳 1/30
ご覧の通り、35歳を超えると発生確率が大きく高まります。そのため35歳を超えた出産の場合、出産前に染色体異常の有無を検査する「出生前診断」を検討する夫婦も多いです。

出生前診断に関しては、2013年に新型出生前診断(NIPT)が導入されたことで妊婦の血液・超音波から診断が可能となったことにより、羊水検査のように検査後流産のリスクはなくなりました。

事前に染色体異常がないことを知り安心できる反面、検査費用が20万円前後と高額であること、結果によっては人工妊娠中絶の選択を悩むこととなり夫婦の葛藤が生じる事等の問題もあるため、検査を受けるかどうかは事前に夫婦や主治医と十分に検討する必要があります。

◆高齢出産のリスク2 妊婦高血圧症候群の発症リスクの上昇

高齢出産の場合、妊婦高血症候群になるリスクが通常の出産に比べ高くなります。

日本妊婦高血圧学会でも35歳でその発症率が高まり、40歳を超えるとさらにリスクが高まるとして注意喚起しています。

妊婦高血圧症とは妊娠中期以降に高血圧・むくみ・尿にたんぱくが出るといった症状をいいます。高齢になると卵巣機能や、血管の老化などが影響し、一つだけでなく合併して発症しやすくなります。

妊婦高血圧症候群になると、胎盤から赤ちゃんに血液や栄養が十分に行き届かなくなり成長に影響を及ぼします。早産・低体重児・酸素が行き届かないことによる脳への影響、最悪の場合子宮内胎児死に陥ってしまうこともあります。母体への負担も大きいため出産時帝王切開が必要となることもあります。

◆高齢出産のリスク3 流産リスクの上昇

年齢が高まるにつれ流産のリスクも高くなります。通常妊娠の場合でも10〜15%流産率とされていますが、35歳を過ぎると20%、40代になると40%、42歳で50%と右肩上がりにリスクが上昇していきます。

これは、加齢に伴う卵子の質の低下と、初期流産に関しては卵子の染色体異常が原因であるとされています。卵子だけでなく、パートナーの精子も加齢に伴って量や生命力の低下があらわれるためそれも1つの要因となっていきます。

高齢出産の妊娠初期に注意すべき点とは?

高齢出産のリスクについてご説明しましたが、妊娠初期にはどのような点に注意すべきなのでしょうか。

◆無理をせず安静にする

妊娠初期は、お腹の中で赤ちゃんが安定していないため全世代共通して安静に過ごすことが必要です。

特に高齢出産の場合は、身体が妊娠に対応できるようになるまで時間がかかり、つわりが重くなったり流産しやすいため、くれぐれも無理をしないことです。初期の胎盤が作られる時期に無理をすると、妊婦高血圧症候群の発症リスクが高まります。

またストレスをためないようにすることも大切です。ストレスによりホルモンバランスが乱れると子宮環境や妊娠の経過に悪影響を及ぼし、胎児の胎教にもよくありません。

◆塩分の調整をする
普段から塩分や高カロリーな食事をしている妊婦さんは、妊婦高血圧症候群の発症リスクが高まりますので一日の塩分量には十分注意をしてください。

一般的な日本女性一日の塩分摂取量目安は8グラムとされていて、妊婦も同量ですが、普段の食生活では塩分を取りすぎる傾向にあります。妊婦高血圧症候群になると塩分量に制限がかかり一日7グラム、重症化すると5グラムの摂取しかできなくなります。

妊娠した早い段階から普段の食事に含まれる塩分量に気を配り減塩をこころがけましょう。麺類を食べたらスープは残す・加工食品(ハム・ベーコン等)を控える・醤油を使うときはかけるよりもつける・だしの効いた調理を心掛け塩分以外で味の満足度を高める・外食やコンビニ弁当を避けるなどちょっとした工夫でも違ってきます。

日々の体調管理に留意し食生活を見直しすることは、妊娠初期のトラブルを回避しリスクを下げることにつながる大切なことです。

高齢出産の妊娠初期に特に補いたい栄養素とは?

高齢出産の妊娠初期に特に補ってほしい栄養素は葉酸です。

葉酸は胎児の先天性異常を防ぐために、厚生労働省が妊娠初期に一日400マイクログラム摂取することを推奨している成分です。葉酸を摂取することで、ダウン症の発症確立が70%も低下したとのアメリカの研究データもあります。葉酸が卵子や精子の細胞分裂に作用し染色体異常の防止に繋がるためです。

葉酸は食事だけで妊娠中必要な量を補うのは難しいとされており、厚生労働省はサプリでの摂取を推奨しています。

 また、葉酸は男性が飲むことで染色体異常の確立が30%低減するとの研究結果もあります。夫婦で葉酸サプリを摂取し、ダウン症のリスクから赤ちゃんを守ってあげたいものです。
 葉酸サプリには多くの種類がありますが、妊娠中でも安心して飲むことができる添加物が少なく成分が安心なものを選びましょう。

芸能人の東尾理子さん(出産当時36歳の高齢出産)が、出生前診断でダウン症の確立が高いと言われていたのに葉酸サプリを飲み続けたことも幸いしたのか元気なお子さんを産んだのが印象的です。

高齢出産でも無事に安産を迎えるために

高齢出産にはリスクが多く大変だというイメージも多いですが、実際多くの方が健康な赤ちゃんを出産しています。

若年の妊娠に比べ経済的・精神的にも余裕があるためゆとりをもった子育てができるというメリットもあります。

赤ちゃんが生まれる瞬間の幸福感は何にも代えがたいものがあります。高齢出産を前向きにとらえ、妊娠初期の大切な時期に注意すべき点やリスクに気を配ることが安産を迎えるためには大切です。